
DRYMAX は、日本での取り扱いこそまだ少ないものの、アメリカでは結構な知名度を持つソックス・メーカーです。聞くところによると、8割ほどのランニングショップで取り扱いがあるそうです。
このメーカーの製品のいちばんのポイントは、その名の通り足をドライに保ってくれること。例えばトレイルを走っていると、水たまりやぬかるみを踏んだり、降雨に遭ったり、汗をたくさんかいたりすることで、足が濡れてしまうことがよくあります。これが原因で足に水ぶくれができると、コースが長距離であればあるほど、ランニングに深刻な影響を及ぼしてしまう。実際に DRYMAX を履くことで、深刻だった水ぶくれによる足裏のダメージがなくなり、ウエスタンステイツで優勝したというエリートランナーのエピソードも DRYMAX のウェブサイトで紹介されています。DRYMAX はこういったダメージを排除することを第一に考えたソックスなのです。
※編集部注: 本稿は桑原慶さんの談話をもとに、編集部が文章化しています。
DRYMAX のソックスを使ってみて驚いたのは、洗濯機にかけて脱水が終わると、もうすでにソックスの内側が乾いていること。昨年の12月に行われた伊勢の森トレイルランニングレースにも DRYMAX のソックスを履いて出場したのですが、コースの最後の方で渡渉があって、川をジャブジャブ渡ったのです。それでもレース後に靴下を脱いだら、やはり足はすっかり乾いていました。
このものすごい排水性をわかりやすく見せてくれるのが下記のプロモーション・ムービーです。ソックスを水で浸し、外側をペーパータオルでふき取ると、もう内側は濡れていないということをデモンストレーションで示しています。
DRYMAX のソックスは2層になっていて、内側の層は疎水性がある。水分を外側の層へ追い出し、拡散させるという構造なのですね。
耐久性も優れたDRYMAX製品
尾形鉄郎くんという、アメリカのランニング・コミュニティーと深い交流を持っている香川在住のランナーが DRYMAX を愛用しているのですが、彼は速乾性もさることながら、このソックスの持つ耐久性の高さも評価していました。彼は頻繁にアメリカに渡り100マイルレースを年間に何本もこなす、とてもよく走るランナーなのですが、4年前に買った DRYMAX の Lite Trail Running Mini Crew を今でも使っているようです。4年前に購入したこのソックスを含め、ここ数年 DRYMAX のソックスを6足ほどローテーションで使っているけど、足裏部分は破れてないよ、なんて話していましたね。
そんな耐久性の高い DRYMAX の製品のなかでも、最も耐久性が高く、足へのダメージを減らすために作られているのが Maximum Protection Trail Run(冒頭に掲載)です。テフロンコーティングされた糸を織り込むことで足との摩擦を軽減し、マメや靴ずれをよりできにくくしている。織り方も高密度なので、厚みを抑えながら耐久性をさらに高めています。
僕も、先日のおんたけウルトラトレイル100Kでこの Maximum Protection Trail Run を履いて走りました。当日はレース直前まで降っていた雨の影響でコースの至るところに水たまりがあり、また夜のスタートということで視界も悪く、何度となく水たまりに足をつっこみずぶ濡れになりましたが、ソックスが保水しないので足に水ぶくれができることはありませんでした。
また、このコースは100kmのうちほとんどがガレ場で、足裏に非常に負担がかかってしまうのですが、HOKA のシューズ ONE ONE とこのソックスのプロテクションのおかげで、最後まで足裏のダメージを気にすることなく無事完走することができました。
どういう素材のソックスを選ぶかは、どの機能性を重視するかによって変わってきます。肌触りや履き心地で選ぶならウールのものが良いですし、指の開きを重視するなら5本指ソックスでしょう。選択肢はいろいろありますが、水系のストレスを軽減するという点においては、この DRYMAX がいまのところいちばんじゃないかと思います。実際、うちのお店でもよく売れている製品ですね。
- 製品名
- Maximum Protection Trail Run
- メーカー
- DRYMAX
- 価格
- ¥2,940
- 購入
- Run boys! Run girls! ほか